クトゥルフ神話
クトゥルフ神話は、H・P・ラヴクラフトの作品を基盤とし、オーガスト・ダーレスら後継作家によって整理・拡張された現代ファンタジー体系であり、宇宙的恐怖、禁忌の知識、旧支配者、名状しがたい古き存在を核心とする。...
ある学者が大叔父の遺した資料を整理するうち、世界各地の夢、浅浮き彫り、邪教の儀式、海難事故が、すべて一つの名へと向かっていることに気づく。その名はクトゥルフ。手がかりをつなぎ合わせたとき、海底に沈む古代都市は死んだのではなく、星辰の巡りが整う時を待っているだけなのだと彼は悟る。
ダニッチの谷で、ウェイトリー家は禁じられた書物と儀式によって、人の世に生まれてはならない子を育てた。やがてウィルバー・ウェイトリーがミスカトニック大学の図書館で死ぬと、家に隠されていたもうひとつの恐怖がついに解き放たれ、アーカムの学者たちは災厄を止めるためにダニッチへ向かう。
ニューイングランドを旅していた若者は、寄り道のつもりで衰えきった港町インスマスを訪れる。そこで彼は、町の人々が海の異族と結んだ古い契約を聞き、逃走と家系の秘密の果てに、自分自身もまたその影に結びつけられていると知る。
ミスカトニック大学の南極探検隊は、氷原の奥で人の世のものとは思えないほど高い山脈を発見し、その向こうに太古の都市を見いだす。探検者たちは古のものが残した遺跡を目にし、さらに奥深くに封じられていた災厄を知る。最後に彼らができたのは、恐怖を抱えて人間の世界へ逃げ帰り、後から来る者たちに、決してあの地へ踏み込むなと警告することだけだった。
アーカムの西にある農場へ、奇妙な隕石が落ちた。そこには人の目では分類できない色が宿っていた。その色は、はじめ土地を不自然なほど豊かに見せ、やがて井戸水、作物、家畜、そしてガードナー一家を少しずつ蝕み、最後には人々が避けて通る荒れ地だけを残した。
チャールズ・デクスター・ウォードは、祖先ジョゼフ・カーウィンの古い文書に取りつかれ、血筋と魔術の手がかりをたどるうちに、とうに消え去ったはずの男をこの世へ呼び戻してしまう。医師と家族が真相に気づいたとき、若者の身分はすでに奪われており、恐るべき事件は地下で決着をつけるほかなかった。
ダニエル・アプトンは、親友エドワード・ダービーが結婚と奇妙な病に蝕まれているだけだと思っていた。だがやがて彼は、戸口へ迫っていたものが死者ではなく、肉体と人格を奪う魔術そのものだったと知る。最後に彼は親友の肉体を撃ち殺した。そこにいたのは、もはや親友ではなかったからである。
作家ロバート・ブレイクはプロヴィデンスに暮らし、遠い丘の上に、人々が避けて通る古い教会をいつも眺めていた。彼はその教会へ足を踏み入れ、埃に埋もれた邪教の痕跡を見つける。そして、暗闇の中でしか動けない何かを目覚めさせてしまい、嵐と全市停電の夜、ついにそれは彼のもとへやって来る。
ニューヨークのレッド・フックで、古びた建物と波止場のあいだに起こる失踪事件を追っていた刑事トマス・マローンは、老学者が地下の儀式によって恐るべき深みへ引きずり込まれていくのを知る。捜索の果てに家々は崩れ、多くの者が死に、マローンは二度と暗い街路や路地に耐えられなくなった。
プロヴィデンスの古い通りに、近所の人々から避けられている一軒の旧家があった。そこに住んだ者は衰弱し、病に倒れ、目に見えない何かに少しずつ命を吸い取られていくようだった。若い調査者と叔父は古い記録を調べ、夜の地下室で見張りをし、ついに災いの根が家の土台の奥に潜んでいることを突き止める。そして強酸によって、それを滅ぼした。
ニューヨークへ来た若者が、眠れぬ夜に古風な服をまとった奇妙な老人と出会う。彼は古い街の奥に隠れた一軒の家へ導かれ、そこでこの都市の過去と、おぞましい未来を見る。老人は盗み取った魔術で昔日の秘密を守っていたが、やがて裏切られた亡霊たちに追いつかれ、若者だけが夜の闇へ逃げ戻る。
貧しい青年がニューヨークの古いアパートに移り住み、階上の部屋を氷室のように冷やし続けるムニョス医師と知り合う。やがて猛暑のさなかに冷却装置が壊れたとき、青年はその冷気がただの奇癖ではなく、医師が長年にわたって死に抗うための最後の防壁だったことを知る。