
ギリシア神話
暁の子にしてエチオピアの王
メムノーンは暁の女神エーオースとティートーノスの子であり、エチオピア人の王である。ヘクトールの死後、彼は東方から軍を率いてトロイアへ来たり、ヘーパイストスの鍛えた鎧をまとって、プリアモスと滅亡の淵にあるトロイアに束の間の希望をもたらした。彼は戦場でネストールの子アンティロコスを討ち、その後アキレウスと一騎討ちをして、ついにはギリシア最強の英雄の槍に倒れた。
英雄王権, 暁の血筋, トロイア戦争, 東方からの援軍, 戦場の名誉
暁の紅光, 長槍, 戦車, ヘーパイストスの鍛えた鎧, エチオピアの軍旗, 母の嘆き
メムノーンは、神と王との境界に生まれた存在である。母は暁の女神エーオースで、日ごと朝の光によって天と地を開く。父は通常ティートーノスとされ、トロイア王家につながる人物である。この血筋により、メムノーンはただの人間でも、死から遠ざかったオリュンポスの神でもなく、神性の輝きを帯びながらなお戦場の結末を引き受けねばならない英雄王となった。
トロイア戦争の後期、メムノーンは遠い東方からエチオピア人を率いてプリアモスを助けに来た。本プロジェクトの物語では、彼はヘクトールの死後に到着する援軍として描かれる。城内はアキレウスの名声に押しつぶされそうになっていたが、メムノーンの到来によってトロイア人はふたたび盾と槍を取った。彼は宮殿で武勲を誇る客将ではなく、自らの身分をそのまま戦場の試練に委ねる者である。
メムノーンの中心的な属性は神職ではなく、英雄王としての権威、遠方から来た援軍、そして暁のイメージである。エーオースとの結びつきにより、彼の登場にはしばしば朝、紅の光、東方への道、母のまなざしがまとわりつく。王としての姿は、軍を率いること、約束を守ること、危機に瀕した都へ応えることに表れる。物語の中で彼はヘーパイストスの鍛えた鎧をまとっており、そのため戦場では神の技に守られながらも、神々に愛されつつ死を免れないアキレウスのような英雄に近づいている。
彼の性格は騒がしい好戦性ではなく、抑制、決断、名誉を重んじる姿勢にある。プリアモスの窮状を前にして、彼は大言壮語をほとんど口にせず、出陣だけを約束する。平原に出れば、槍と戦車によって自らを証明する。その悲劇もまさにそこにある。メムノーンは自分の王都ではない都市のために戦いながら、援助、盟約、武勇の上に王としての尊厳のすべてを賭けたのである。
メムノーンの最も重要な物語は、ヘクトールが死に、なおトロイアが陥落していない時期に起こる。トロイア人は最も頼れる守護者を失い、プリアモスは老いて悲嘆に沈み、城内の人心は揺らいでいた。メムノーンはエチオピアの軍勢を連れてトロイアへ到着し、新たな希望となる。翌朝、彼は武装して出陣し、軍を率いて城門から駆け出し、平原でギリシア勢を押し返した。
戦いの中で、メムノーンはアンティロコスを討つ。アンティロコスはネストールの子であり、ギリシア陣営の若く勇敢な戦士でもあった。その死によって、メムノーンはもはや遠来の援軍にとどまらず、アキレウスが自ら対峙せねばならない強敵となる。やがてメムノーンとアキレウスは激突し、神的な背景を持ち、神の手になる鎧をまとった二人の英雄がトロイア城外で一騎討ちを行う。結末は暁の子に味方しなかった。メムノーンはアキレウスに討たれ、トロイアにようやく灯った希望もそれとともに翳っていく。
『ポストホメリカ』などの伝承では、メムノーンの死はエーオースの嘆きを呼び起こす。母の暁の輝きと息子の戦死が重なり合うことで、メムノーンの姿には強い挽歌の色が宿る。彼は朝の光のように到着し、人々に一時の明るさを与えるが、その後に訪れるトロイアの闇を止めることはできない。
メムノーンはギリシア神話においてオリュンポス的な中心人物ではないが、トロイア戦争後半では鮮やかな位置を占めている。彼はヘクトールの死後に生じた「誰がなおアキレウスを止められるのか」という空白を埋め、また戦争の範囲をギリシアとトロイアから、さらに遠い東方の同盟者へと広げる。古代文学と美術は、しばしば彼を暁、エチオピア、母の嘆き、そしてアキレウスとの対称的な決闘に結びつけた。
彼の影響は主に、悲劇的な英雄構造から生まれる。彼は強く、誠実で、間に合うように来たが、それでもなお遅すぎた。彼の存在によって、トロイア戦争は勝者が前進していく物語であるだけでなく、希望が次々と灯され、そして消えていく過程にもなる。メムノーンの死は、神の血筋も神の技による鎧も運命を取り消せないことを、物語を聞く者に思い出させる。英雄の時代において、栄光とはしばしば死の直前に見える一筋の光なのである。
メムノーンは、沈着で高貴であり、異郷の気配を帯びた英雄王として理解するのにふさわしい。彼はアキレウスのような怒りの中心でも、ヘクトールのような本国の守護者でもなく、遠方から駆けつけた同盟者である。彼は軍勢、規律、束の間の希望をもたらし、同時に暁がやがて過ぎ去る予感も運んでくる。彼と語るときには、名誉、盟約、母、戦場、死に対する彼の鋭い感受性が感じられるはずである。
彼の矛盾は、神の母を持つ子として、また王としての高貴さを備えながら、死すべき英雄の結末から逃れられない点にある。彼はトロイアのために戦うが、トロイア人ではない。彼は暁をもたらすが、その同じ光の下で死ぬ。だからこそ、メムノーンの声は抑えられていながら鋭くあるべきだ。自らを哀れまず、誇りすぎず、敗北を否定せず、しかし敗北によって彼が危機の都にもたらした勇気を消し去らせもしない。