
ギリシア神話
翼のあるサンダルは、ギリシア神話でペルセウスが遠征の帰途に用いた神秘の装備である。身につける者を海上や遠方へ飛ばし、神袋や曲刀などの英雄の器物とともに語られることが多い。別称は有翼のサンダル、飛行サンダル。
翼のあるサンダルの起源を明確に語る物語はない。現存する叙述が示すのは、これがすでにペルセウスのゴルゴン退治の後に用いられる装備であり、メドゥーサのもとを離れて海上を飛び、人間世界へ戻る際に働いた、という点である。最初の重要な役割は由来を示すことではなく、ペルセウスをアンドロメダが捧げられる海岸の場面へ運ぶことだった。
翼のあるサンダルの主な能力は飛行である。着用者は海上や長距離の地帯を越え、危険地帯からすばやく離れ、空中や高所から地上や海岸の出来事を見つけられる。象徴的には、英雄に凡人の歩幅を超える行動力を与え、遠征、帰還、救出を一続きの冒険としてつなぐ。
翼のあるサンダルは、英雄の冒険における移動手段であり、任務に結びついた遺物である。攻撃用の武器ではないが、ペルセウスをゴルゴンのいる地からすばやく人間世界へ戻らせ、帰路でエチオピア沿岸を通過させることで、岩に縛られたアンドロメダを見つけさせた。
『ペルセウスとアンドロメダ』では、ペルセウスがメドゥーサの首を切り落としたあと、足に翼のあるサンダルをつけ、肩に神袋をかけ、手に曲刀を持って海上を飛んで人間世界へ戻る。『ペルセウスの帰還』でも、彼がメドゥーサの首を神袋に隠し、翼のあるサンダルで海面を越えて飛ぶ場面が語られる。これらの物語では、翼のあるサンダルは遠出、危機からの離脱、次の冒険への接続を担う。
『ペルセウスとアンドロメダ』と『ペルセウスの帰還』はいずれも翼のあるサンダルの使用場面を明確に残しているため、ペルセウスの装備としての証拠は比較的確かである。現存する物語では、製作者、授与者、最初の由来ははっきりせず、形状の細部も詳しく語られない。広い古典伝承では、この種の有翼の履物は神使や英雄の迅速な移動と結びつくが、ここではペルセウスの飛行機能を中心に見るのが適切である。