
ギリシア神話
トロイアは、ギリシア神話におけるトロイア戦争の中心都市であり、プリアモス王が治め、ヘクトルが守った城邦である。その重要性は、十年におよぶ包囲、城外の平原で続いた戦闘、そして最後にトロイの木馬によって引き起こされた陥落にある。
トロイアは、ギリシア連合軍がアウリスから海を渡って東へ進んだ後に到着した海岸の近くにあり、城壁は平原を見下ろす高みに立っていた。城外には海辺へ続く平原、ギリシア軍の船陣、スカマンドロス川周辺の戦場が広がり、城内には王宮、街路、城門、神殿などの空間があった。
トロイアは、ギリシア神話においてまず包囲された王都として描かれる。プリアモスが統治し、ヘクトル、パリス、カッサンドラ、ヘカベ、アンドロマケなどの人物は、この都市の王家と戦時下の暮らしに結びついている。戦争の発端はヘレネがトロイアへ来たことに関わり、ギリシア連合軍はアガメムノン、メネラオス、オデュッセウス、アキレウスらを主な指導者として、城外に長く陣を置いた。
この都市の神話上の役割は、単なる戦場の背景にとどまらない。城壁、スカイア門、王宮、アテナ神殿、城外の平原が、戦争物語の主要な空間を形づくっている。ヘクトルは城内で母に衣を捧げるよう促し、パリスを叱責し、さらに城門のそばでアンドロマケと幼い息子に別れを告げる。城外は、英雄同士の決闘、援軍の到着、ギリシア軍の船陣が脅かされる場である。戦争の末期にはトロイの木馬が城内へ引き入れられ、城壁と城門はもはや王都を守れなくなり、トロイアは籠城の都市から陥落した都市へと変わる。
トロイアは、海岸に近く、背後に城壁と城門を備え、前方に平原が開けた都市である。ギリシア軍は海から到着するとトロイアの浜辺に上陸し、船を陸へ引き上げて海辺に陣営を築いた。一方、トロイア勢は城門から出撃し、両軍は城外の平原や河川の近くで繰り返し衝突した。
城内の空間には、王都としての性格がはっきり表れている。プリアモスの王宮には王妃、王子たち、王家の女性たちが集い、アテナ神殿はヘカベが城内の女性たちを率いて加護を祈る場所であった。城壁と城門は、城内の生活と城外の戦場を結ぶ境界でもある。スカイア門のそばでの再会の場面は、城門が軍事上の境であると同時に、家族が別れを告げ、戦場を見守る場所でもあったことを示している。
城外の空間は、ギリシア軍の陣営と戦争の推移に結びついている。ギリシア軍の船列、陣壁、壕、海辺の天幕は、包囲軍の一時的な拠点をなしていた。トロイア勢はヘクトルに率いられて陣壁を突破し、船尾の近くまで戦闘を押し進めたこともある。スカマンドロス川のほとり、城門前の土ぼこりの立つ場所、浜辺はいずれも、トロイア戦争で繰り返し現れる戦闘の場である。
『ギリシア軍、トロイアに到着する』では、この場所が言及される。ギリシア連合軍はアウリスから出航してトロイアの海岸に到着し、プロテシラオスが最初にトロイアの地を踏んだ後、本格的な包囲が始まる。
『ヘクトルの帰城』では、この場所が言及される。ヘクトルは城外の戦場からトロイア城内へ戻り、アテナへの衣の奉納を手配し、城門のそばでアンドロマケと息子に短く会う。
『トロイア勢の勝利』では、この場所が言及される。ヘクトルはトロイア勢を率いて城下から前進し、ギリシア軍の壕と陣壁を越えて、戦闘を海辺の船列近くまで押し込む。
『トロイア城下のペンテシレイア』では、この場所が言及される。アマゾンの女王ペンテシレイアはプリアモスを助けるためトロイアへ来援し、城外の平原でアキレウスと戦う。
『トロイアのメムノン』では、この場所が言及される。メムノンは東方から軍を率いてトロイアを支援し、城外でアンティロコスを討つが、その後アキレウスの手に倒れる。
『トロイアの陥落』では、この場所が言及される。ギリシア軍はトロイの木馬の計略によって城内へ入り、プリアモスは殺され、王宮、神殿、街路は破壊され、トロイアはついに陥落する。