
ギリシア神話
スケリアはギリシア神話でパイアケス人が住む島であり、オデュッセウスが帰郷の途上で最後の助けを得る重要な場所である。オデュッセウスの海上の漂流と、イタケへ戻る最後の航海とをつなぐ点に意義がある。
スケリアは『オデュッセイア』の帰郷航海の地理に属し、オデュッセウスがカリュプソのもとを離れた後、イタケへ戻る前に到着する島である。物語では、島に海岸、河口、町、港、王宮、王宮の庭園、町へ通じる道があると語られる。町の外には、アテナの聖域、ポプラの林、泉も現れる。
スケリアはパイアケス人の国土であり、王アルキノオス、王妃アレテ、王女ナウシカアが暮らす場所である。パイアケス人は航海の技にすぐれ、彼らの船は客人を目的地へすばやく安全に送り届けることができる。オデュッセウスの帰郷譚では、スケリアは彼が漂流者から帰郷者へと戻っていく転機の場所となる。
オデュッセウスは嵐の後、波に運ばれてスケリアの海岸にたどり着き、まず河口の近くに上陸し、その後、木立の中で休む。彼はナウシカアと侍女たちに見つけられ、衣服、食物、町へ入るための案内を得る。そしてナウシカアの助言に従い、アルキノオスの王宮へ向かい、パイアケス人にイタケまで送ってくれるよう願う。
物語のスケリアは、現実の座標で定められた島ではなく、オデュッセウスの海上漂流の中に置かれた神話上の島である。識別できる場所としては、オデュッセウスが上陸した海岸と河口、ナウシカアが洗濯をしていた川辺、町へ通じる道、町の外のポプラの林とアテナの聖域、パイアケス人の港と船の停泊地、そしてアルキノオスの王宮がある。
王宮は、パイアケス人の政治と歓待の秩序の中心として描かれる。オデュッセウスはそこでアレテに助けを求め、王と貴族たちにもてなされ、宴の席で歌人デモドコスが歌うトロイアの昔の出来事を聞く。スケリアの港と船団は、物語の中で実際の移送の役割を担い、オデュッセウスをイタケへ送り返す。
「ナウシカアとパイアケス人」ではこの場所が語られる。オデュッセウスはスケリアの海岸で救われ、ナウシカアに出会い、アルキノオスの王宮でパイアケス人の歓待と帰郷の約束を得る。
「オデュッセウスのイタケ帰還」ではこの場所が語られる。パイアケス人の船はスケリアを出発し、眠っているオデュッセウスをイタケへ送り届ける。帰航の際、ポセイドンはパイアケス人を罰し、船をスケリアへ近づくところで海上の巨岩に変える。