
ギリシア神話
イーデー山はトロイア近郊の重要な山地で、トロイア戦争伝承では、パリスが捨てられ、羊飼いとして育ち、黄金の林檎をめぐる審判を行った場所として語られる。パリスの死の物語にも登場し、関連する叙事の重要な舞台となっている。
関連する物語では、イーデー山はトロイア市の近くにある山地で、松林、草の斜面、泉、羊飼いの通る山道を備えている。パリスはここに捨てられ、助けられて養われ、山腹で羊の群れを見張った。後の叙事では、三女神と出会った場所であり、オイノーネに治療を求めた場所としても描かれる。
イーデー山はトロイア伝説の中心的な山地で、主にパリスの物語と結びついている。最初は、赤子のパリスが捨てられるために運ばれた場所であり、その後、彼が牧人として成長する場となった。のちにヘルメスがヘラ、アテナ、アプロディーテを伴ってこの山を訪れ、パリスに黄金の林檎の持ち主を裁定させた。パリスの死の場面では、イーデー山はオイノーネと、彼の臨終の助けを求める行動に結びつく。
物語中のイーデー山は、松林、草の斜面、泉、放牧に適した山道をもつ典型的な山地の牧場として描かれる。パリスは山中で牛や羊を放牧し、木陰に身を置くこともあり、この場所が林地、斜面、通行可能な牧道をあわせもつことが示されている。叙事では山腹からトロイア市を遠望できるとも語られ、都市との明確な地理的つながりが示されている。
「プリアモス、ヘカベとパリス」では、プリアモスが生まれたばかりのパリスをイーデー山へ送り、捨てさせる。子はのちに山中の雌熊と従者によって命を救われ、牧人のもとで育つ。
「パリスの審判」では、ヘルメスがヘラ、アテナ、アプロディーテを連れてイーデー山を訪れ、パリスに黄金の林檎の持ち主を決めさせる。
「パリスの死」では、矢を受けたパリスがイーデー山へ戻り、オイノーネに治療を求めるが、最後には山のふもと近くで死ぬ。