
ギリシア神話
レルナは、ギリシア神話でアルゴス地方にある低湿地帯として語られる場所で、ヘラクレスがレルナのヒュドラを討った第二の功業で知られる。ヘラクレスの物語では、怪物の棲みかであり、毒血の起点ともなる重要な舞台である。
レルナはアルゴス地方にあり、物語では低く湿った、葦と暗い水に結びつく沼沢地として描かれる。沼の奥には洞窟があり、レルナのヒュドラはそこに潜んでいた。ヘラクレスとイオラオスは、その入口付近で怪物と戦う。
レルナは、ヘラクレスの十二の功業のなかで明確な舞台機能を担う場所である。エウリュステウスはヘラクレスにここへ向かわせ、沼地の洞窟にすむレルナのヒュドラを倒させた。この任務は、ヘラクレスの初期の功業の中でも特に有名な怪物退治として扱われる。
物語のなかのレルナは都市や宮殿ではなく、沼、洞窟、道ばたのぬかるみ、石などからなる一帯の地域として描かれる。ヒュドラの毒気、毒血、再生する首は、この低湿な環境とともに語られるが、ここでは地形そのものを神話的な象徴として説明するのではなく、あくまで物語上の舞台として扱う。
レルナはアルゴス地方に位置し、古くから湿地、低地、暗い水域として想像されてきた。ヘラクレスは到着後、イオラオスに戦車を高い場所へ移させ、自身は洞窟に近づいて、火矢でヒュドラを追い出した。
戦いの後、ヘラクレスはヒュドラの不死の頭を道ばたの土に埋め、大石で押さえた。また、その毒血に矢を浸したため、これらの矢は後の物語で致命的な武器となる。こうしてレルナは、戦闘の場所であると同時に、ヘラクレスの武器が生まれる背景としても位置づけられる。
『レルナのヒュドラ』では、この場所が直接取り上げられ、エウリュステウスの命令を受けたヘラクレスがイオラオスの助けを得てヒュドラと戦い、首を焼いて怪物を倒し、最後に毒血を得る場面が語られる。