
ギリシア神話
エリスはギリシア神話に登場する地方名で、ペロプス、オイノマオス、アウゲイアスに関わる物語では、王権、戦車競走、労役の舞台となる地域として現れる。その重要性は、主にピサの王位、ヒッポダメイアへの求婚競走、そしてヘラクレスによるアウゲイアスの牛小屋掃除の逸話に由来する。
エリスはギリシア世界の一地方であり、ピサの町もエリス周辺の重要な場所である。アウゲイアスの牛小屋もエリスにあり、近くにはアルペイオス川とペネイオス川が流れている。ヘラクレスの労役では、この二つの川の水が引き込まれ、牛小屋を洗い流すために用いられた。
エリスはこれらの物語では単一の都市ではなく、王都、道、牛小屋、川を含む一つの地域として扱われる。ペロプスはエリス周辺に到着し、ピサでオイノマオスがヒッポダメイアのために課した戦車競走に参加する。勝利の後、彼は王位と土地を得て、この地域はペロプス家の伝承と結びつくことになる。
ヘラクレスの労役の物語では、エリスはアウゲイアス王国の所在地でもある。アウゲイアスは膨大な牛の群れと長年掃除されていない牛小屋を持っており、ヘラクレスはここで牛小屋を清掃する任務を果たす。その後、報酬をめぐる争いによって、ヘラクレスはアウゲイアスにエリスから追放される。
エリスはピサ、アウゲイアスの牛小屋、アルペイオス川、ペネイオス川と結びついている。ピサはオイノマオスが治める町として、求婚の戦車競走と王権の移行が起こる場となる。一方、牛小屋のある区域は川と水路の変更が可能な流れに関係しており、ヘラクレスが労役を成し遂げるための具体的な地理的条件を形作っている。
「ペロプス」ではこの場所が言及される。ペロプスは小アジアを離れた後にエリス周辺へ来て、ピサでオイノマオスとの戦車競走に参加し、その結果としてヒッポダメイアを妻に迎え、土地を得る。
「アウゲイアスの牛小屋とステュムパロスの鳥」ではこの場所が言及される。ヘラクレスはエウリュステウスの命によりエリスへ向かい、アウゲイアスの長年掃除されていなかった牛小屋を清掃する。
「求婚者たちの陰謀」でもエリスが言及される。ノエモンはエリスへ行く用事があるとして、テレマコスが借りていった船がいつ返されるのかを求婚者たちに尋ねる。