
ギリシア神話
神託、音楽、弓術を司るオリュンポス神
アポローンは主要なオリュンポス神の一柱であり、ゼウスとレートーの子、アルテミスの双子の兄である。彼は神託、音楽、癒やし、弓術、浄化、市民的秩序を司り、その最も重要な聖域はデーロスとデルポイにあった。
予言、音楽、治癒、弓術、浄化、都市秩序
竪琴、月桂樹、弓、三脚台
アポロンはギリシア神話におけるオリュンポス十二神の一柱であり、予言、音楽、詩、治癒、浄化、弓術、光を司る神である。ゼウスとレトの子で、アルテミスの双子の兄弟にあたる。彼の神格はきわめて広く、秩序、啓示、美、癒やしをもたらす一方で、疫病、罰、死をももたらす。
最も有名な出生地はデロス島である。ヘラの迫害を受けたレトは、出産を受け入れてくれる土地を求めて放浪し、ついにデロスに迎えられた。アルテミスが先に生まれ、母を助けてアポロンが誕生した。この神話により、デロスはアポロンの最も聖なる島の一つとなり、彼の誕生は放浪、顕現、聖なる中心の成立と結びついた。
アポロンはまた、多くの英雄、予言者、特別な人物の父とされる。医神アスクレピオス、イオン、アニオス、アリスタイオスなどがその例である。これらの系譜を通じて、都市や地方伝承はアポロンの権威と神聖な威信に自らを結びつけた。
アポロンの中心的な力の一つは予言である。とくにデルポイの神託を通じて、彼は神の判断を人間に聞こえる形で示した。ギリシアの都市は、植民、戦争、立法、浄化、重大な公共的決定に際して彼の承認を求めた。
彼は音楽、詩、調和ある秩序の神でもある。竪琴やキタラは彼の主要な象徴であり、彼はしばしばムーサたちの導き手として現れる。彼の音楽は奔放な陶酔ではなく、明晰で節度ある美であり、比例によって整えられた芸術である。
治癒と浄化の力は二重である。彼は病を取り除くことも、疫病を送ることもできる。『イリアス』では、その矢がギリシア軍に病をもたらす。パイアンという称号は治癒と救済の歌に結びつくが、彼の弓は神の力が遠くから正確に届くことを示している。
彼の象徴には、弓、矢、竪琴、月桂、三脚鼎、月桂冠がある。彼に結びつく動物には、狼、イルカ、白鳥、烏、鼠、蛇がある。月桂はダフネの神話とアポロン的勝利の冠を通じて、特に重要である。
アポロンの重要な神話の一つは、デルポイでピュトンを殺す物語である。ピュトンは巨大な蛇または竜であり、古い地下的な力を象徴していた。アポロンはこれを倒すことでデルポイへの権威を確立し、そこはギリシア世界で最も有名な神託所となった。
『アポロン讃歌』はまた、アポロンがイルカの姿を取り、クレタの船乗りたちをデルポイへ導き、自らの祭司としたことを語る。この物語は、彼の海上での顕現とデルポイ祭儀の成立を結びつける。
トロイア戦争において、アポロンはトロイア側の最も重要な神的同盟者の一柱である。『イリアス』では、クリュセスの祈りに応えてギリシア軍に疫病を送り、ヘクトルを助け、パトロクロスの死を導き、後代の伝承ではアキレウスの死にも関わる。アポロンは音楽と光の神であるだけでなく、戦場で死を決定する力でもある。
アポロンの恋愛譚は、しばしば喪失や変身で終わる。ダフネは月桂となり、カッサンドラは予言の力を得ながら誰にも信じられない呪いを受ける。コロニスはアスクレピオスを生むが裏切りにより罰せられ、ヒュアキントスは花によって記念され、キュパリッソスは嘆きの糸杉となる。アポロンの明るさは、必ずしも幸福を保証しない。
音楽競技も彼を特徴づける。ヘルメスは竪琴をアポロンに与え、アポロンは後にマルシュアスやパンなどの挑戦者を破る。マルシュアスが神に挑んだ罰として皮を剥がれる物語は、神的芸術と秩序の境界がいかに厳しいかを示している。
アポロンはオレステスとヘラクレスの神話にも深く関わる。彼の神託はオレステスにアガメムノンの復讐を命じ、母殺しの後には浄化と弁護の力となる。ヘラクレスも狂気の後、デルポイの神託によってエウリュステウスに仕え、功業へと向かう。
アポロンの二大崇拝中心はデロスとデルポイである。デロスは誕生の地であり、デルポイは神託権威の中心であった。デルポイではピュティアが神の言葉を伝え、その神託は植民、戦争、法律、浄化をめぐる決定に大きな影響を与えた。
アポロンに捧げられたピュティア競技祭は、ピュトンへの勝利と結びつき、音楽、詩、体育競技を含んでいた。勝者は月桂冠を受け、アポロンの芸術、秩序、神聖競技との結びつきを示した。
アポロンは多くの地方称号のもとで崇拝された。ピュティオスはデルポイを、デリオスはデロスを、カルネイオスはドーリア人の文脈を、アギュイエウスは街路や門口の守護を、アルケゲテスは建国と植民を示す。これらの称号は、予言、都市秩序、植民、保護における彼の役割を表している。
彼はまたヒュペルボレオイの伝承とも結びついた。遠い北方の祝福された民として想像された彼らの地に、アポロンは冬に赴くとされた。この伝承は彼の崇拝に、遠さ、純粋さ、神秘性を加えている。
ローマ宗教では、アポロンはほぼ同じ名で受け入れられ、治癒、予言、音楽、太陽的な輝きと結びついた。しかしギリシア神話のアポロンは、単なる太陽神ではない。彼は予言者、弓の神、音楽家、浄化者、癒やし手であり、神聖秩序を守る厳しい神でもある。
アポロンの力は、相反するように見えるものを一つにする点にある。彼は音楽と調和をもたらすが、疫病と罰ももたらす。明晰さを表す一方で、悲劇的な恋と死の物語にもしばしば現れる。彼は癒やすが、その銀の弓は遠くから死をもたらす。
そのため、アポロンは単なる美と芸術の神ではない。彼は秩序そのものの神聖な像である。秩序には音楽と比例が必要であり、同時に浄化、裁き、決断も必要である。この明るく危険な複雑さこそが、彼をギリシア神話の中でも最も輝かしく、最も単純化しがたい神の一柱にしている。